アルバイトを雇う時の注意点

個人事業主がアルバイトを雇うことにはメリットがある。アルバイトは最低賃金ギリギリの金銭で雇用しても差し支えないことが多く、賞与やその他手当等も最低限で構わない。また、アルバイトなら業務状況を見て適性を判断し、解雇したり正社員に昇格させたりする猶予がある。さらに、アルバイトを6か月間雇ったうえで正社員に昇格させると、1人につき最低でも20万円が助成金として支給される。これは年間10人のアルバイトまで適用される。ただし、助成金を受け取るには個人事業主が労災保険に加入しておくことが条件である。しかし、この保険料は従業員への総賃金の0.3%なので、助成金と比較すれば大した金額にはならないことが多い。
アルバイトを雇うことには、これらのメリットがあるが、一方で気を付けるべき点もある。それは、従業員を1人でも雇用した場合には個人事業主が源泉徴収義務者となることだ。源泉徴収義務者になると、従業員の給与から所得税を源泉徴収して税務署に納税する義務が発生する。さらに、開業手続きも面倒になり、個人事業の開廃業等届出書、給与支払い事務所等の開設届出書を例外なく提出する他、所得税の青色申告承認申請書、源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書等を状況によって税務署に提出しなければならない。他にも、労働基準監督署には、労働保険関係成立届、労働保険概算保険料申告書を提出しなければならない。これ以外にも状況に応じて様々な関係書類を提出しなければならず、提出漏れが発覚した場合には指導が入る。経営や業務にも悪影響を及ぼす可能性があるので、それらの準備を徹底してからアルバイトを雇う必要がある。

個人事業主経営の心得

個人事業主のなかでも美容院や理髪店の経営に関しては設備だけでなく、人員を確保しなければ仕事を円滑に行うことができない職種である。そこで人員を手軽に確保する手段として、アルバイトを雇うことが挙げられる。アルバイトは正社員を雇うよりもコストを抑えることができ、経営を行う上でとても重要な存在となってくるだろう。
特に、美容院や理髪店においては実際に客の髪を切るには資格が必要なこともあって、資格を持ったアルバイトを雇用する必要がある。美容師や理容師は国家試験に合格した者しか就くことのできない業務であるが、どちらも多くの有資格者がおり、アルバイトを雇おうとした場合に求人を行うことについてはあまり苦労しないと言える。実際の業務を行う場合においても、すでに専門学校等で習ったことのある経験者であるために一からすべてを教えるといった負担もそれほど大きくないものである。
一方で、アルバイトを雇う場合には、勤務日数や勤務時間に気を付ける必要がある。正社員として雇った人員と変わらない労働時間で雇った場合には社会保険などの負担を個人事業主が負わなければならず、大きなコストとなるからである。さらに、アルバイトといえども有給休暇を与えなければならず、人件費を計算する上において重要な項目となる。また、美容師の業界は入れ替わりの激しい業界でもあり、良いアルバイト人材をいかに長く雇うか、勤務環境にも配慮が必要になるだろう。